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早くお帰り、振り返ってはダメだよ

2010.08.14 00:46|季節
私が小さいころ、近所の公園で必ず盆踊りが行われた。

夜。暗くなり、提灯に灯がともる。中央に太鼓を乗せた櫓。

子どもは行くとお菓子がもらえた。

櫓の周りを踊り、離れ、また踊り、それは賑やかで。夜の闇を追い払うかのような騒々しさに包まれていた。

最近は夏祭りの話題はあっても、盆踊りの話はついぞ聞かない。



盆踊りは『おどり』であって、『舞(まい)』ではない。

それは、まず集団で行うことが大前提だからである。

舞は、上半身を中心に動かし、基本は一人で、静かに、優美に動く。神を迎えるためだ。

踊は、漢字を見てもわかるように、下半身を中心に動かし、集団で動く。

旋回し、回転し、跳ね上がり、そうして一つの共同体の中に迎えられていた神や精霊を徐々にその外に送り出す。


盆踊りには、そのような理由があった。

なぜ、集団で、回るように踊るのか?


昔読んだ、梅原猛の著書に書かれた内容が、頭の中をよぎった。


宮沢賢治の『なめとこ山の熊』をご存知だろうか。

猟師の男(マタギ)は、クマ猟で生計を立てていた。ずっとクマばかり追っていたので、クマの言葉がわかるようになった。

ある日、追い詰めたクマがいった。「お前はなぜ俺を殺そうとするのか」と。

猟師は、そうしなければ生きていけないといった。

クマは言う。2年待ってくれと。用事を済ませたら、お前の家の前で死んでおくからと。

猟師はそのクマを見逃した。そして2年後。約束どおり、そのクマは猟師の家の前で息絶えていた。

物語のラスト、猟師の男は狙っていたクマに逆に襲われる。「殺すつもりではなかった」というクマに、自分の順番が来たのだと目を閉じる。そんな猟師を熊たちが魂送りの儀式で送り出すというストーリー。


アイヌでは、カムイ(神様)は神の国では人間と同じ姿をして、刺繍をしたり、彫りものをしながら暮らしている、と信じている。

人間の国へ遊びに来る時は、たとえば、クマ神であるなら黒い毛皮で正装し、お土産に肉や胆をたずさえてやってくる。暖かい毛皮や、飢えをしのぐ肉、貴重な薬になる胆……。人間にかけがえのないお土産を授けてくれるクマは大切なカムイであり、だから、クマ猟とはアイヌの人々にとって、カムイを「お迎えに行くこと」になるのだという。

そうして、人間の生活に必要なその肉の衣を脱ぎ捨て、カムイは神の国へ帰る。その時、きちんと魂送りの儀式をしないと、もうその神は二度とアイヌの前に姿を現さなくなるとも考えられていた。

儀式では、中央に祭壇を設け、いろんな供物をおき、物語(ユーカラ)を朗する。そして、物語は途中で止められ、クマ神の魂は神の国に帰る。

人間界を旅してきたクマ神は他の神々を招待して報告会をかねた宴を開くのだという。何しろ、人間から貰ったお土産は山ほどある。多くの神々を前にして、クマ神はこんな風に報告をする。

  「人間の国というのはとにかく楽しいところだ。ごちそうは食べ切れないほどあるし、不思議なことに、木の実だけでなく、魚まで空から降ってくる。だが、何といっても、あの歌や踊りの楽しいこと。でも、ひとつ不満があるのだ。何やら、とっても面白い物語を語って聞かせてくれたんだが、ひげをはやした威厳のある老人が、どうしたわけか、途中でその語りをやめてしまったのだ」

 うなずきながら聴いていた仲間の神が身を乗り出すようにしていった。

 「そうか、そんなに面白いのか、その物語というのは」

 すると、他の神々も顔を見合せながら口をそろえた。

  「そんなに面白いのなら、その続きを聞きに、人間の国に遊びに行ってみようじゃないか…。」


死後の世界というと、天国と地獄とか、閻魔大王とか、とにかく怖いものと表現されがちだが、

縄文人の文化を継承しているアイヌでは、生前と同じ暮らしが普通に出来る世界で、生者でもひょいっと気軽に行けるところと考えていました。

そして、この世とあの世はあべこべであり、この世で完全なことはあの世で不完全であり、この世で不完全なものはあの世で完全と考えていたことから、壊れたり欠けた生活必需品を一緒に埋葬し、またはあの世での住まいにと家を焼いたといいます。

いまでも欠けた茶碗は死んだ人が使う物だといって、仏壇にあげる時に使ったりします。


・・・テーマが迷走しております。かろうじて、お盆=死者つながり。そう、アイヌの死生観を知ったとき、私はこれがいい、そうだこれにしようと思ったのでした。

夏はお盆のおかげで、ご先祖様のこととか、あなたの知らない世界だとかが身近になります。

こんな時ぐらいしか考える時はないと思うので、たまにはいつか行く世界に思いをはせてみてはいかがでしょうか。

自分をもっと大切にしたくなるかもしれませんよ。



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Author:ぽっぽさん
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